昔から天然で筋肉質だった

大学生のころの話。週末(土日)とも外出せず、家に居る時があった。暇だった。何も食べずに過ごしていた。お金が無いからというわけでは無く、単にめんどくさかったからだ。今考えても理由がよく分からない。若さって危うい。

週明け、朝から講義で忙しくて朝食も昼食も食べなかった。そして夜、友達とみんなで焼肉に行ってもりもり肉を食べて帰った。

びっくりしたのは次の日の朝だ。シャワーを浴び終わって鏡の前に立った自分の身体がすごく筋肉質になっていたのだ。ちょっとポーズ取ってみたりして。

もともと痩せ型では無かったが週末の断食で脂肪が減ったのだろうか、そして肉で筋肉がついたのだろうか。当時の映画ファイトクラブのブラピのような身体も夢では無いなと思った記憶がある。結局この身体は日々の食事で普通に戻って行ってしまうのだが。

 

体質なのか生活習慣なのかは分からないが、痩せてる人はいくら食べても太らないし筋肉がつかない。逆に少しの運動で筋肉がついてしまう人もいる。私は確実に後者だ。子供の頃から痩せに憧れている。

思い返せば小学生の頃からの付き合いである。初めは一年生の時にまで遡る。「前へ習え」をした時である。自分の腕の形と周りのみんなの腕の形が違うことに気がついた。みんなは肘の関節が一番太いのに、自分は肘より少し先の腕の部分が一番太かった。これには傷付いた。自分は人と違うんだという違和感を覚えてしまいそれ以降半袖を着なくなった。

母親と祖母がなにやら相談していた。この子はどうして半袖を着たがらないのか。ふたりの答えが出た「腕が毛深いからじゃない?」。

違う。そう思ったがこのふたりにより袖をまくられ腕の毛を剃られた。あっという間だった。なにも言えなかった。

でも一年生の男の子は思った。ここまでされちゃ半袖を着ないわけにはいかないだろうと、しょうがないかと。小学生というのは大人が思う以上に大人である。結局ふたりの中では毛深さを気にしていたという事になっているままである。

それから社会人になってからも病院や銭湯などでちょいちょい「何かスポーツやってるの?」と言われることがよくあった。やってなくは無かったががっつりトレーニングをしたり筋トレをしたりはしてなかったので、期待に応えられず申し訳ないという思いになっていた。

腕立てをしたら翌日か翌々日にはTシャツの着こなしが変になったりする。少し緩めでいい感じだったのにだ。だからデートなどでかっこよく着こなしたい時はあまり筋肉がつくような運動を控えたりもした。逆にダイエットでへなへなな身体になってしまっても少しの筋トレで健康体っぽい身体つきになれた。このように筋肉はやけに身近だった。

そんな私ももういい歳だ。ダイエットのかいもあって痩せていると言われる事が多くなった。念願の痩せである。今ふと思うと、やはり社会人10年目あたりから無駄に筋肉がついてかっこ悪いとか思わなくなった。これが老いというやつか。

ここで太ってしまうといけないと思う。いま痩せでいれているのでこのまま良い感じに歳をとっていきたい。

痩せといっても、やけにぷりけつなんだけどね。。